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坐禅は「無になる」「何も考えない」ではない

 町田市内にある霊園なのだが、東雲寺が町田市の南端にあり、その霊園が市の北端にあって、車で4、50分の距離のところにある。40年ほど前らしいが、当時、故人が気に入って定めた〈終の棲家〉とのことだった。
 16、7年前に、当時、東玉川学園にお住まいだったYさんが東雲寺坐禅会に参加され、その後にYさんのご両親も参加くださった。そうしたご縁でYさんからお父上の葬儀の依頼がありお勤めした。さらに四十九日忌納骨埋葬法要を町田市北端の霊園で行うことになった。
 この日がちょうど第三日曜だったので朝七時から坐禅会、その後に庭掃除や筍掘りをして、朝食を摂り、シャワーを浴び、着替えて、お檀家さんの年回法要を一座勤める。その後にお迎えに来てくださったYさんの車で霊園に向かう。
 運転はYさんのご子息、故人のお孫さん。
 車が走り出して間もなく、Yさんがセカンドバックから東雲寺坐禅会の会員証(胸につけることができる名札)を取り出し、「父の遺品を整理していたら出てきました」と故人の名札を見せてくれた。また、「私が参加していたときは30名くらいでしたが、最近は多くの方が参禅されているようですね」とか、「坐禅会では『正法眼蔵随聞記』などを読んでましたが、今もなさってるんですか?」などと話かけてくださった。
 この日の坐禅会には64名の方が参加くださったことや現在は『正法眼蔵』「行持」の巻を拝読しているなどとお応えした。
 すると車の助手席に坐っていたYさんのお連れ合いが、「坐禅って、無になることですよね。何も考えないようにするんですか」などと仰った。
 実は車が出発して間もなく、拙は車の進路がとても気になっていて、Yさんからの話しかけに対しても上の空だった。北に向かうべきところを西へ西へと進み、町田市の中心街、つまりわざわざ車が混んでいるところに向かっていたのである。カーナビゲーションシステムで走っているらしいのだが、どう考えても遠回りだった。そんなことを考えていたので、Y夫人の率直な大問題の問いかけに少々まごついてしまった。
 東雲寺坐禅会では折にふれて申し上げて来たことだが、坐禅は何も考えないとか無になるというものではない。拙が坐禅会参加者の方たちにお伝えしたいもっとも大事なことのひとつに坐禅は「息慮凝寂の経営などではない」という道元禅師の教えがある。「息慮凝寂の経営」の「息」はやめるということで、思慮をやめて無我無心になって静寂の世界を凝視することに力を尽くすという意味である。それはお釈迦さまはじめ歴代の祖師方が正しく伝えて来た仏教・禅の教えではなく、坐禅についての正しい理解ではないという道元禅師の教えなのである。
しかし、世間に広まっている「坐禅」のイメージは「無になる」「何も考えない」というY夫人の言葉通りなのだ。
 ようやく西向きから北向きへ変わった車の進路に気を奪われながら、「何も考えない」ということは、気を失うか死ぬ以外にはあり得ないということが碩学によってすでに指摘されている。また何も考えないということを考えるようなことになりかねないので、「何も考えない」は坐禅についての正しい理解ではないと応えた。
 さらに「無」ということについては、たとえば今、話をしているが、お互いに発した言葉が相手の耳に届くまでにはわずかな時間が過ぎており、過去の音声を耳にしている。目に映る姿も、わずかに過去の姿である。知覚される以前の〈そのもの〉を私たちは知り、確かめることができない。これは「無」ではなく「空」なのであり「縁起する」世界なのである。仏教はこの世のすべては諸行無常であり諸法無我だと説く。それは仏教の基本的な教えであり、宇宙間の真理だ。
 この真理を坐禅修行の中で心の奥底に静かに沈殿させ、定着させる。すると自ずと自己の有限性をしっかりと見定めることができ、自他に親切に、周囲に優しく、すべてを大切にしつつ生きることができるようになる。これが坐禅だとお話した。



2017.05.12 Friday 10:01
道元禅師の教え comments(0)
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2018.11.06 Tuesday 10:01
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