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大逆事件に関わる二冊の図書の指摘

 

 

  定期購読している月刊誌の一冊、岩波書店の『図書』2月号の新刊案内の中に田中伸尚著『大逆事件  死と生の群像』があり、発行日2月16日を心待ちにして購入した。また、『大法輪』4月号に佼成出版の新刊書、眞田芳憲著『〈大逆事件〉と禅僧内山愚童の抵抗』の広告があり、これもすぐに注文、3月15日に入手した。
  「大逆事件」について『日本史広辞典』(山川出版社、1997年)は次のように解説する。

 

 幸徳事件とも。明治天皇暗殺を計画した容疑で、多数の社会主義者・無政府主義者が逮捕された事件。赤旗事件以後社会主義運動の弾圧が強化されるなかで、1910年(明治43)5月、まず宮下太吉ら4人を爆発物取締罰則違反で検挙し、つづいて全国各地で事件に無関係な者も含めて数百人を検挙。うち26人が刑法の大逆罪にあたるとして起訴された。大審院は一審のみの非公開公判で幸徳秋水ら24人を死刑(坂本清馬ら12人は特赦により無期に減刑)、新田融ら2人を有期刑とした。幸徳らは11年1月24・25日に処刑。以後、社会運動は「冬の時代」を迎えた。判決後50年目の61年(昭和36)、唯一の生存者坂本らは再審を請求したが、最高裁で棄却された。

 

 「大逆事件」については、事件に連座させられ処刑された内山愚童(箱根大平台の曹洞宗林泉寺住職。秘密出版で「非戦」を主張)や大石誠之助(和歌山新宮の医師。尊皇報恩を説く大内青巒と論戦、青巒を「飯を食ふ仏教大辞典」と批判)などについて「坐禅会たより」で何度か取り上げて来た。
 「大逆事件」は、明治政府が軍国主義化を進める中で、天皇暗殺の全国規模の大陰謀事件をでっち上げ、社会主義者や無政府主義者を抹殺しようとした大弾圧事件だった。すなわち大逆罪によって処刑、投獄された人たちは、そのきっかけとなった事案に関わる数人を除きほとんどが無実の罪を着せられた犠牲者たちだった。
 眞田芳憲著『〈大逆事件〉と禅僧内山愚童の抵抗』の「はしがき」は次のようにいう。

 

 いま、わが国はは集団的自衛権行使を容認する安全保障法制や特定秘密保護法の制定に続き、いわゆる共謀罪を改め「テロ等準備罪の新設法案」の立法化、1948年の国会で失効した「教育勅語」の復権、そして帰するところは「日本国憲法」の改正へと、「いつか来た道」の瀬戸際に立たされている。いや、むしろ日本国憲法の空文化の地均しが着実に進められていると見るべきかもしれない。今日の日本は、まさしくかつての「大逆事件」の時代相に近づいているのではないだろうか。

 

 田中伸尚著『大逆事件  死と生の群像』では、著者が訪ね歩き調査した大逆事件の犠牲者やその遺族、関係者  森近運平、宮下太吉、高木顕明、成石平四郎、松尾卯一太、大石誠之助、沖野岩三郎、新村善兵衛、新村忠雄、武田九平、飛松與次郎、小松丑治、坂本清馬などを取り上げ、さらには当時、政府当局を弾劾する講演の記録『謀叛論』(岩波文庫)の徳富蘆花のことや遺族慰問の旅を続けた堺利彦のことなどを、緻密な取材によって書き上げている。その「あとがき」に次の一文がある。

 

 連座させられた人びとは、程度や思いに差はあったが、また当時の社会にあっては少数者であったけれども、戦争に反対し、荷担しないという生き方を貫き、宗教者として被差別者に寄り添い、どうしたら平等で自由な社会にできるかを思索し、国家・天皇と個人の関係はどうあればいいのかなど生きる個人としてののっぴきならない問題と取り組み、悩み、突き当たり、時に性急に生きた人びとだった。彼らが社会主義や無政府主義を通じて気づいたこれらの問題は、文学や思想のテーマでもあり、ジャーナリズムの課題でもあった。そしてそれらは、現在の問題としてもある。

 

 憲法前文にいう「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」ため、平和を希求するとりくみを不断の努力で続けて行きたい。



2018.05.07 Monday 13:54
人権・平和・環境 comments(0)
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2018.05.21 Monday 13:54
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